MENU
  • ホーム
  • 寺町新聞とは
  • 連載記事
  • 寺町構想とは?
  • 素朴な疑問
  • 寺町ニュース
仏教を、もっと暮らしのそばに。
寺町新聞
  • ホーム
  • 寺町新聞とは
  • 連載記事
  • 寺町構想とは?
  • 素朴な疑問
  • 寺町ニュース
  • ホーム
  • 寺町新聞とは
  • 連載記事
  • 寺町構想とは?
  • 素朴な疑問
  • 寺町ニュース
寺町新聞
  • ホーム
  • 寺町新聞とは
  • 連載記事
  • 寺町構想とは?
  • 素朴な疑問
  • 寺町ニュース
  1. ホーム
  2. 連載記事
  3. 大愚和尚の物語
  4. 【大愚和尚の物語~一隅を照らす~】第7話~悠々自適からサバイバルの旅へ~ 

【大愚和尚の物語~一隅を照らす~】第7話~悠々自適からサバイバルの旅へ~ 

2026 9/26
大愚和尚の物語
2026年9月26日

この記事は、大愚和尚の幼少期から佛心宗誕生にいたる半生を、物語風にお届けするシリーズです。大愚和尚の歩みは、私たちにとっても大切な学びにあふれています。
(※本連載は、事実を基に当時の心情や情景を、生き生きと再現したストーリー形式でお届けします。細部の演出を含め、ぜひ映画を見るような感覚でお楽しみください)

≫第6話はコチラ

目次

バックパッカーへの転身

元勝青年は基本的に、移動はバスやタクシーを使い、宿泊はホテルでした。食事はレストランに入り、好きなメニューを食べたいだけ頼めます。そして朝から晩まで「〇時に、何をしなければ」という決まりもなく、何もかもが自由な日々に感じられました。

しかし当然ながら贅沢をすれば、お金はどんどん減っていきます。元勝青年は、焦りの気持ちが湧いてきました。「まずい、旅はまだ序盤も序盤なのに。こんな調子で浪費していたら、タスマニアまで半分も行けないぞ」。

そうした中。とある町へ立ち寄った際、広い公園の片隅で、テントを設営している白人の青年を見かけました。すぐ側には大きく、使い込まれた様子のリュックや、調理器具が置いてあります。

元勝青年はとつぜん「これだ!」と閃きました。テントに泊ればホテル代はかからず、節約の旅に移行すれば、はるかに安上がりです。元勝青年は相手の雰囲気に合わせ、フランクな英語で話しかけてみました。

「こんにちは。とても旅慣れているみたいだね。ちょっと話を聞いてもいい?」。

白人の青年は言いました。

「ああ、別にかまわないよ。君は?」。

元勝青年は簡単に自己紹介し、オーストラリアへ来た経緯を語りました。すると、とても興味を持たれた様子でした。

「へええ!僧侶になりたくないから、日本を飛び出した?そいつはまた、ずいぶんユニークだねえ。オレはアンソニー、イングランドの出身だ。気ままな旅をしているバックパッカーさ」。

アンソニーは気さくで親切な若者でした。元勝青年が「ぼくも、君のようなスタイルで旅がしたくて」と言うと、必要な知識や技術を、惜しみなく教えてくれました。

「まず移動は、基本的にヒッチハイクでするんだ。親指を立てるジェスチャーが有名だけど・・正直ドライバーに対して、目立たないことも多い。そんな時はこう。このボードに大きく、行きたい方角を書いて掲げる」。

また町のアウトドアショップに同行し、元勝青年のために手頃で質の良い道具を、見繕ってくれました。

「いいかい、ゲンショー。このテント、今はやり方を1つずつ確認して組み立てている。でも、やり方は完全に頭に叩き込んで、スマートに設営できなきゃ、ダメだ。考えてもみな、大雨や強風の日だってあるんだ。ちんたらやってたら、組み上がる前に吹き飛ばされるか、ずぶ濡れさ」。

アンソニーから、さまざまなノウハウを吸収する元勝青年。ここから旅の性質は観光から、サバイバルの旅へと変わっていきました。

またオーストラリアは観光の旅であれば、海岸線に点在する有名都市を目指すのがセオリーです。それが内陸部の、聞いたこともないような町を渡り歩くようになり、目にする景色もガラリと様変わりしていきます。

西部劇さながらの町

アンソニーの目指す方角は途中まで、元勝青年とかぶっていました。2人は同行し、バックパッカーとして実践の旅をしながら、元勝青年はさらに多くのことを学びます。

内陸部では、どこまでも平原が広がるエリアがあり、そこでは野生のカンガルーも見かけました。「あれは野生の・・うわっ、は、速い!」。視線のはるか彼方まで、カンガルーはあっという間に走り抜けて行きます。

元勝青年は思いました。「すごい。彼らから見たら人間はさぞ、のろまな生き物だろう」。動物園での姿や、可愛らしいマスコットのイメージとはまるで違い、どこか畏敬の気持ちさえ抱いたのでした。

それから、郊外のとある村へ立ち寄った際、目の当たりにした光景にも驚かされました。道端につながれた馬、カウボーイハットをかぶった男性、アスファルトではない土の道。

その景色は、西部劇に登場する村そのものに見えました。入口が内外どちらにも開く“スウィングドア”になっている、木造の酒場もあります。「ああ!あれって、中に“ウォンテッド”って書かれた、賞金首のポスターが貼ってあるやつだ」。

元勝青年が興奮に駆られていると、ふと、隣でアンソニーが口笛を吹きはじめました。村の風景も相まって、何ともいえない哀愁が漂います。時刻は夕方、傾きはじめた夕陽が2人を照らし、影が後ろに長く伸びていました。

元勝青年は本当に、西部劇に入り込んだ気分になり、ワクワクしてきます。一方「自分はいったい、どこへ向かっているのだろう」という感情が湧いてきました。

立ちはだかる予想外の困難

「いろいろ楽しかったよ、ゲンショー。この先も、いい旅を!」。アンソニーは親指をグッと立てて、別れの挨拶をしました。

元勝青年は、感謝とともに「こっちこそ。ここまで良くしてもらって、本当にありがとう!」と返します。ひとたび同じ道を歩んだ者同士も、また別々の道へ。出会いと別れの旅でした。

こうして元勝青年が1人旅へ突入すると、思わぬ困難にぶつかります。アンソニーが一緒の時と比べ、ヒッチハイクの成功率が目に見えて落ちたのです。

最初は理由がよく分かりませんでした。それが、とある郊外の町へ足を運んだ際、ひとつの現実を知ることになります。町の入り口には、荒々しい文字でこう書かれていました。

『日本人は町に入るな!』

元勝青年は、ショックを受けます。これまでの旅で出会った現地の人は、みんな大らかで親切な人々ばかりだったからです。

背景には、バブル景気の勢いに乗った日本企業が、オーストラリアへの投資や進出を、増やしていたことがありました。地域によっては外国資本の急拡大に、警戒や反発が生じていたのです。

また歴史的に、日本は第二次世界大戦ではオーストラリアと敵国同士でした。その記憶も重なって、偏見を強める人も存在しました。

そうは言っても、公共の交通機関が殆どない内陸部では、ヒッチハイクは不可欠です。点在する町の間には無人の荒野が広がっており、その規模もけた違いでした。

オーストラリアのスケール感について、旅行者がしばしばネタにする1つに、ある“マクドナルドの看板”があります。道路わきに立つその看板には『この先400㎞』と書かれており、これは東京から名古屋よりも遠い距離です。

果てしなく広がる大平原を渡るには、どうしても車移動が必要でした。

効果バツグンの巧みな作戦

困難に直面した元勝青年、そこへ救いの女神が現れます。ある町で知り合った、ドイツ人女性のバックパッカー、エリーゼ。

彼女に「ヒッチハイクに、なかなか応じて貰えなくて」と、悩みを相談したところ、ひとつの妙案を提案してくれました。

「えっと。つまり、ぼくは身を潜めておいて・・って、こういう作戦でOK?」

「ヤー!これなら、乗せてもらえるはずだわ。さっそく試してみましょう」。

それからしばらくして、町の道路に1台の大型トラックがやってきました。ドライバーのおじさんは、道端で1人のバックパッカーが“南”と書かれた、ボードを掲げている姿を見つけます。

よく見ると20代くらいの可愛らしい女性だったので、おじさんは上機嫌になり、ドアウィンドを開けて声をかけました。「やあ、お嬢さん。良かったら、オレの愛車に乗って行くかい?」

バックパッカーの女性は、言いました。「ありがとう、よろしくお願いします!・・あ、じつはもう1人いるんだけど、彼も一緒にいいかな?」。

すると、建物の陰から元勝青年が姿を現し、ぺこりとお辞儀をしました。ドライバーは一瞬、眉をひそめましたが、今さら「じゃあ、ダメだな」とは言いにくい雰囲気です。

「OK、大丈夫だ。そこの彼も一緒にどうぞ」。 エリーゼは元勝青年の方を向くと、いたずらっぽい笑顔とともに、ガッツポーズをしました。

思いもよらない恐ろしいワナ

巧みな提案に助けられ、南下を続ける元勝青年。しかし頼りのエリーゼも、いつまでも一緒に行動できるわけではありません。

「じゃあね、ゲンショー。いろいろと楽しかったわ。グッドラック!」

互いに別々の方角へ、別れのタイミングがやって来ます。元勝青年も感謝とともに別れの挨拶を伝え、再び1人旅へ戻りました。

「さて、ここからは誰も頼れないな。ヒッチハイクは根性で、ひたすらアタックするしかないか」。

アンソニーやエリーゼが一緒の時と違い、やはり何度も断られ続けてしまいます。そうした中、ある日の午前中に町の外れで、停車中のトラックを見かけました。

その横では運転手と思わしきおじさんが、ベンチに座ってハンバーガーをほお張っています。

元勝青年は考えました。「走っている車のドライバーとは、会話もできないから、スルーされやすい。でも、今の状況なら話を聞いてくれるかも」。

そう考えながら近づき、ヒッチハイクのお願いをしてみました。すると、おじさんは一瞬、表情をくもらせたように見えるも「まあ、いいぜ。適当な場所までで良ければ、乗せて行ってあげるよ」と応じてくれました。

元勝青年は単独のヒッチハイクが成功し、心の中でガッツポーズをします。ところが・・。

トラックは何時間も走り続け、やがて夜になりました。辺りはまっ暗闇で、ヘッドライトが照らす周辺以外、ほとんど何も見えません。運転手のおじさんは、ある地点で急にトラックを止めると、言いました。

「そうだなあ。まあ、ここら辺がいいだろう。オレは別方向に行くから」。辺りは灯り1つなく、何もない場所のようにも見えます。ただ元勝青年は停車の直前、うっすらと建物の影を見た記憶がありました。

「きっと、町の外れみたいな場所なのかな」。そう考えると、おじさんにお礼を伝えて、トラックを降ります。そして近くにテントを設営し、一泊しました。

夜が明けて辺りを見渡すと、1本の太い道路以外は、どこまでも乾いたような植物が生える、荒野のような場所でした。昨夜、町らしき影を見かけた方角へ歩いて行くと、廃墟の建物が並び人間の姿はありません。

いわゆるゴーストタウンであり、このような場所に降ろされたことは、ドライバーの“うっかり”とは思えません。元勝青年は、とても嫌な予感がしました。

それは何となくの危機感に留まらず、すでに生死に直結する非常事態に陥っていた事実を、直後に思い知るのでした。

≫第8話に続く

大愚和尚の物語

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Follow Me
よかったらシェアしてね。
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
  • アリ対策のはずが、ベランダ塗装まで――DIYから考える「欲」の正体(第69話)

この記事を書いた人

原田幸文(こうぶん)のアバター 原田幸文(こうぶん)

フリーライター、寺町新聞の執筆・取材を担当。小学生の秘密基地から南米のアマゾン川まで、どこへでも探訪。そこにある興味や発見、人の想いを、分かりやすい表現で書き綴るのがモットー。
■ Yahoo!ニュース・エキスパート 第11回MVA(Most Valuable Article)銅賞■ 本名は原田幸大(ゆきひろ)。2024年に大愚和尚から生前授戒を受け『幸文(こうぶん)』の名を授かる。

関連記事

  •  【大愚和尚の物語~一隅を照らす~】第6話~未知の世界へ希望を求めて~
    2026年8月22日
  • 【大愚和尚の物語~一隅を照らす~】第5話~レッツ・スタート・イングリッシュ!~
    2026年7月25日
  • 【大愚和尚の物語~一隅を照らす~】第4話~誰もが秘めている、光と闇
    2026年6月20日
  • 【大愚和尚の物語~一隅を照らす~】第3話~悲喜こもごもの青春と波乱~
    2026年5月30日
  • 【大愚和尚の物語~一隅を照らす~】第2話~さすらい人と、愉快な人が教えてくれたこと~
    2026年5月9日
  • 【大愚和尚の物語~一隅を照らす~】第1話~厳しさの中、ヤンチャに育った幼少期~
    2026年4月25日

コメント

コメントする コメントをキャンセル

このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシー および 利用規約 に適用されます。

reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

Tags
あきば大祭 お寺と宗教の歴史 お盆の過ごし方 お経とは? ご縁日 どっこいしょ どんな悩みも手放せる100の言葉 オンラインストア ナーランダ出版 ニチコレ 一問一答 中道 人間関係 今週の一面 仕事も人間関係もうまくいく離れる力 佛心僧学院 佛心大祭 佛性を活かす 僧侶クリエイター 六方礼経 内弟子道場 副住職便り 合掌の意味 大愚和尚 大愚道場 失敗談 寺町構想 慈縁の会 新刊 正しく恐れる智慧 禅語 福厳寺550周年 素朴な疑問 経営マンダラ 編集部おすすめ
新着記事
  • 【大愚和尚の物語~一隅を照らす~】第7話~悠々自適からサバイバルの旅へ~ 
  • アリ対策のはずが、ベランダ塗装まで――DIYから考える「欲」の正体(第69話)
  • 【名作アニメに見る仏教】『名探偵プリキュア!』から考える、ウソで覆われる世界
  • 町をつくる前に、人を育てる――事業家の経験が寺町構想に与えたもの【寺町構想:第3回】
  • 【素朴な疑問】お経は、亡くなった人のために読むものですか?(第3回)
記事カテゴリー
  • 副住職便り
  • 大愚和尚のお話
  • 寺町ニュース
  • 寺町行事報告
  • ピックアップ
  • お知らせ
  • 佛心の輪
  • 母からの便り
  • 連載記事
    • 寺町の素朴な疑問箱
    • 寺町構想とは?
    • 大愚和尚の物語
    • アニメに見る仏教
    • カルチャーブリッジ
    • 逆境のエンジェル
    • アマゾンの侍
    • 禅語マンガ
  • The Message
運営会社

株式会社ナーランダ出版

ナーランダ出版は「世界に知恵の花束を」をコーポレートメッセージに掲げ、仏教の智慧、日本人の「知恵/伝統の技/こころ」を世界に配信します。

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.
  • 寺町新聞とは
  • プライバシーポリシー
  • 特定商取引法に基づく表記
  • お問い合わせ

© 寺町新聞.

目次