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典座研修

2022・01・18

修行僧には、それぞれに与えられる役職があります。典座(てんぞ)はその一つで、修行僧の食事を管理する役職のことを言います。

修行僧は1日に3食、食事をいただきます。朝は小食(しょうじき)といって、お粥と沢庵と梅干しをいただきます。昼は中食(ちゅうじき)、夜は薬石(やくせき)といい、お肉を使わない、野菜中心の健康的な食事をいただいております。

福厳寺では、典座長の瑞雲太康(ずいうん たいこう)さんを中心に、内弟子全員が、日替わりで典座を務めております。作務を終えてから約1時間で、内弟子とお寺の役員の方々の食事を準備します。限られた時間、限られた食材のなかで、毎日工夫を凝らした料理の数々が並びます。

さて、この日は大愚和尚が調理場にいらっしゃり、典座の作務について直々にご指導してくださいました。実は和尚は、ご本山での修行時代に、典座の役をなさっておりました。毎食何十人もの食事を準備する必要があり、座禅を組む暇もなく調理場に入っていたそうです。

そんな和尚からは、包丁の研ぎ方をはじめ、典座に必要な様々な「身口意」を学ぶ事ができました。

      研修の前に和尚からの説法です。大愚和尚の教え

そのほか、パン切り包丁や、ペティナイフ、麺切り包丁などもありました。
様々な形、大きさの包丁がずらり。それぞれの特徴を教わりました。

一般的に使われるのが写真のような「三徳包丁」 刃先が細くてカーブを描いている「牛刀」 四角く、刃が片側のみの 「菜切り包丁」

包丁を研ぐ

左手の人差し指、中指を添えて、一定のリズムで、砥石の上を滑らせます。

ポイントは押す時にグッと力を込め、引く時には軽く引いてくること。

素早く、鋭く仕上げることができるそうです。

調理する

研いだ包丁を使って、調理を進めます。

典座長の太康さん(右)も、包丁の切れ味に驚いたようでした。

協力しながら、皆で薬石の準備をしました。

大愚流料理の心得

大愚和尚おすすめの、料理の基本が学べる書籍を紹介していただきました。↓

「新ベターホームのお料理一年生」https://www.betterhome.jp/book/publish/shin1nen

肉、魚、野菜などの扱い方を、素材ごとにていねいに解説。

「ブロッコリーは水からゆでる? それともお湯から?」

「とりささみの筋はどうやってとる?」など、

調理時に浮かんだ疑問が、この本1冊ですぐに解決します!

参照:「ベターホームの料理の本 」https://www.betterhome.jp/book/publish/shin1nen

大愚和尚が注目したのは、野菜ひとつひとつの特徴を紹介するページです。

食材にそれぞれの特徴、個性があるように、私たちの性格もそれぞれに違った特徴があります。ぬるぬるして掴みどころがない、外の皮が硬くて切りにくい、大きい割に軽くて扱いやすい。など、確かに食材にも人にも当てはまるように感じます。

大事なのは、それぞれの特徴を知り、適切な処理をすること。

それぞれが持つ「味」を生かして調理をすることで、美味しくて調和の取れた料理になります。

アクを取るのか、むしろ残すのか、煮込むのか、炒めるのか。

大事なのは食材を引き立たせることです。

人間関係においても、相手の個性を認めて、お互いを引き立たせられるような関係を築いていけたらと思います。