「どんな人間や動物も、あの子をたすけないではいられない。(略)あの子のまごころだけが、カイをすくえるんだよ。」※
こんにちは、寺町編集室のみさきです。冒頭の文は、私が好きな絵本『雪の女王』に出てくる1節です。今回は、私がこの絵本から学んだ小さな気づきについてお話したいと思います。
物語のあらすじ
主人公の少女・ゲルダは、大好きな友人・カイを雪の女王にさらわれ、カイを救うための旅に出ます。
ゲルダは旅の途中、女王の手下からの攻撃にあったり、誘惑に足を止めてしまったりと、いくつもの困難にみまわれ、悲しみにくれます。
しかし、ゲルダはピンチのたびに周りにいる人や動物、ときには敵をも味方につけ、ついにはカイを救いだすのです。
気づき ー誓願の力ー
『雪の女王』はもともとデンマークの童話を翻訳して作られた絵本です。しかし私は、お釈迦さまの教えにも通じる大切なことが書かれていると思いました。それは「誓願を掲げること」です。
仏教でいう誓願とは、修行の目的を定め、それを達成することを誓い、願うことです。
ゲルダは、「大好きなカイを助けたい」と心に決め、行動を続けます。
誓願があったからこそ、敵の攻撃や誘惑を乗りこえ、わきあがる悲しみにも歩みを止めなかった。
また、ゲルダの「真心を尽くして願う」姿勢が、はじめは敵対していた相手をも味方に変え、やがては悪者がつけいる隙さえ与えなくなったーー
私は、誓願の持つ力と大切さに、改めて気付かされました。
「心に決めた願い(誓願)を持っていれば、自然と勇気と活力がわき、自らの憂いに振り回されなくなる。」そうゲルダが教えてくれたのだと思います。
そして、冒頭でご紹介した1節
「どんな人間や動物も、あの子をたすけないではいられない。(略)あの子のまごころだけが、カイをすくえるんだよ。」※
のように、真心を持って、ひたむきに誠実に行動する人に、つい手を差し伸べたくなる気持ち、応援したいと思う気持ちは、時代も、場所も、人種をも超えて、人間の心の中にあるのではないでしょうか。
私も純粋な彼女の姿に心を打たれ、その姿勢を見習いたくなりました。
早いもので、2024年もすでに1カ月が過ぎましたが、今からでも今年の誓願を掲げるには遅くないと思います。
わたしも今年1年、ゲルダのように真心を尽くす姿勢を大切にしながら、自分の誓願に向かって精進していきたいと思います。
出典:※ 南塚直子. ハンス・C・アンデルセン. 雪の女王 .小学館. 2023
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