大愚道場

慈悲心の花 ~名古屋・大愚道場レポート#1~

2022年7月23日、愛知県名古屋市熱田区の国際会議場にて「名古屋大愚道場」が開催されました。

長引くコロナ感染症の影響により人数が制限される中でしたが、福厳寺のお膝元「愛知県」での開催ということもあり、大盛況のうちに幕を閉じました。

今回は、大愚道場で「佛心」と書かれた紺色の法被姿で参加者さんを出迎えるサポートメンバーの皆さんに焦点をあてながら、大愚道場への想いなどを全2回に渡ってご紹介します。

(桐嶋つづる) 

僧侶もスタッフの一員です

大愚道場は「体感で学ぶブッダの教え」

舞台上で何やら耳元でささやく大愚和尚

2021年秋の東京を皮切りに、全国各地で開催されている大愚道場。「体感で学ぶブッダの教え」とも称され、対面で大愚和尚のお話が聞けるのはもとより、身体の感覚を通して仏教の知恵を学ぶ場所として人気を博しています。

またYouTubeや書籍では得られない「大愚和尚・スタッフ・参加者」の一体感がリアルに感じられる貴重な場ともいえるでしょう。

大愚道場の内容は、YouTubeでは配信していません。月に1回全国のどこかで開催されている道場へ足を運んだ方だけが味わえる、特別なもの。

参加者の年齢層はさまざまですが、いずれの会場でも、スタッフが投げかけるあいさつには満面の笑顔で答える方が多く、会場全体が温かな空気で充たされています。

慈悲心の花がパっと咲けば | 佛心宗教化部長の声

◆「お花はじっくりと育てたい」~慈香(じこう)さん~

この日も参加者と談笑する慈香さん

佛心宗教化部長を務める慈香さんは、どこの会場でも参加者さんに呼び止められるといいます。その多くは「仏教の学び」に関する質問や相談です。

「大愚道場は、やはり学びの場なのですから、同志の皆さんの『学びのステップ』となるようしっかり運営したい」と想いを語ります。

元々専業主婦だった慈香さんは、様々な人生経験を経て、現在では経営者の顔も合わせ持ちます。ある時、多くの経営者が仏教を学んでいることを知ったのをきっかけに仏教に興味を持ち、佛心僧学院1期生として仏教を学び始めました。

社会の中で、少しづつ学び進めてきた「仏教を体感する」経験から、参加者の「真剣に仏教を学びたいと思うからこそ辛くなってしまう」という気持ちに寄り添いたい、と引き締まった表情をのぞかせます。

一方、サポートメンバーについて聴くと、「自分よりも誰かの役に立ちたいという気持ちが嬉しいです」と笑みがこぼれます。

慈香さんは全国の会場を巡ります

「私たちサポートメンバーの中から慈悲心の花がパッと咲けば、自然と人が集まってくださいます。お花はじっくりと育てていきたいですね」

慈香さんが優しくほほえむすぐ向こう側で、また一つ膨らんだつぼみが開こうとしていました。

膨らんだつぼみが開くとき|サポートメンバーの声

現場では11時30分の開場に向けて、僧侶とサポートメンバーが力を合わせて着々と準備が進められていきます。

全国の大愚道場を企画する、教化副部長の浩月さん(左から2人目)

主にサポートメンバーが担当する場所は受付・会場・物販・司会の4つです。司会担当者は、慈香さんと綿密に打ち合わせをします。

司会を担当した孝禅さん

またコロナ禍のため、感染症対策には慎重を期します。

会場では席と席の間隔を広く空けて椅子を設置したり、受付では体温計測やアルコール消毒の手順をしっかり確認しながら、メンバー内で何度もシミュレーションを重ねて開場に備えました。

参加者リストも再度確認します

いよいよ開場の時刻。事前にチケットを購入された参加者が受付前に列をつくります。ここからがサポートメンバーの「腕の見せどころ」です。

人であふれる開場直後の受付前

◆「笑顔でサッと席をたつ自分に」~持法(じほう)さん~

新幹線を使って遠方から参加された持法さん

佛心僧学院卒業とともに、仏教を実践すると決意した持法さん。

「選り好みせずにやる」。自分の未熟な部分から目を背けないよう、いつも心に言い聞かせています。

そんな持法さんは以前、あるサポートメンバーの姿に衝撃を受けました。

時間に遅れて到着した参加者が会場の重いドアを開けた瞬間、即座に席を立ち、笑顔で「お待ちしておりました!」とお迎えをしたのです。

受付リーダーとして佛心の文字を背負います

「きっと自分なら、頭でわかっていても、即座に体が動かない。でも必ず動けるようになりたい」

笑顔でサッと席を立つ自分をイメージしながら、持法さんは今日も最前線で元気に参加者さんをお迎えしていました。

◆「なまりが落ちるようにスッキリした」~妙月さん(みょうげつ)さん~

偶然にも福厳寺の近くで生まれ育った妙月さん

ある年の12月、福厳寺で行われた秋葉大祭での出来事でした。当時、人間関係の悩みを抱えていた妙月さんは、以前にYouTubeで知った大愚和尚に会うべく、福厳寺に足を運んでいました。

「鉛が落ちるように、心がスッキリするのを体感しました」

火渡り業を経験した妙月さんはすっかり心を打たれ、「仏教を学びたい」「私も心のなまりを落としてもらえたように、誰かのお役に立ちたい」と目覚めたといいます。

しっかり検温して感染症の侵入を水際で防ぎます

「同志と活動をともにすれば、視野が広がり、人生が上向きになると信じています。今後もどんどんサポートしていきたいです」

妙月さんは、この日のために新調したという「TaiguTシャツ」を法被の中に忍ばせて、参加者さんに優しく寄り添います。

◆「不得意の中にこそ本質がある」~善英(ぜんえい)さん~

かねてより、「問いと傾聴」により内省を深め気付きを促すコミュニケーション技術「コーチング」を提供している善英さん。

ある日ふと「コーチングの根底には『ブッダの教え』が潜んでいるのではないか」と感じ、仏教に興味を持ち始めました。

地元名古屋での開催を喜ぶ善英さん

そして、仏教を学ぶ中であることに気づきます。それは、自身が「周りに意識を向けること」が不得意であり、怠けていたということ。

善英さんはこれまで、周りとの調和にはさほど目を向けず、ともかく自分優先の日々を送ってきました。しかし、気づけば多くの人や物が自分の下を去っていたといいます。

それ故、自分が本当に変わるためには、「不得意な環境に身を置くことが必要かもしれない」と思ったのです。

同志と一丸となって参加者をお迎えします

そこから自身を見つめ直す中で、「同志の集まりに身を置き、自分の立ち位置を知ることが必要」という答えにたどり着き、サポートメンバー募集に手を挙げました。

当日は受付を担当した善英さん。「こんにちは!お名前をどうぞ!」との嬉々とした声からは、小我の殻を打ち破ったエネルギーを感じました。

いよいよ開幕

さて、待ちに待った大愚和尚の登壇です。大愚和尚が入場した途端、会場からは大きな拍手が沸き起こりました。

拍手で迎えられる大愚和尚

「私が『生大愚』です。意外と小さいでしょ。」

この日も参加者さんの笑い声から開演に。

大愚和尚によるブッダの教えはもちろん、今注目の話題や大愚和尚がお得意の笑える小話も盛り込まれた「笑いあり、涙あり」と中身の濃い約5時間の始まりです。

頷きじっくり耳を傾ける方、熱心にメモをとる方も見られ、大愚和尚が説くブッダの教えへの関心の高さが伺えました。

一言も聞き漏らすまいと真剣に耳を傾ける参加者の皆さん

さて後半の記事では、サポートメンバーの声、閉会後に行った大愚和尚とサポートスタッフの振り返りの様子などをご紹介します。

大愚和尚がリラックスして語り合うひと時など、引き続きご覧ください。(#2の記事は、こちらから)

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