一問一答ものがたり

コンプレックスからの解放〈一問一答ものがたり〉

YouTubeチャンネル「大愚和尚の一問一答」をきっかけに、人生が変化した経験を持つ人が、自身の物語を記す「一問一答ものがたり」。

今回は、長年にわたり「自分を好きになれない」と悩み続けてきた上田みさきさんの物語をお届けします。


幼少期からの悩み

少し前まで、私には長年抱いている疑問がありました。それは、「なぜこんなにも自分を好きになれないのか?」ということです。

思い返すと、その疑問は幼少期に始まったもので、何がきっかけだったのかわかりません。物心ついた時にはすでに自分に劣等感を感じていた様に思います。

学生時代は、堂々と振る舞うクラスメイトをいつも羨ましく感じていました。とても素敵で自信があるように見える彼女たちと、全く対照的な私。目に見えない壁を感じて、みんなで楽しく会話をしている時でさえ居場所がないと思い、心のどこかで疎外感を感じていました。

当時を振り返ると、そんな自分をなんとか変えたくて必死でした。

自分なりに色々と努力もしました。しかし、どんなに良いとされる成績を収めたとしても、どんな人に褒めてもらっても、自分のことを好きになることはできず、それどころか、努力すればするほど、劣等感は強くなっていきました。

やがて社会人となり、原因や解決法を調べましたが、これは良さそうだと思う方法を見つけて実践しても、一時は少し改善した気になるものの、少し経つとやはり元の状態に戻ってしまいます。

なかなか変われない自分に対してモヤモヤする日々を過ごしていました。

探し求めていた答えとの出会い

そんなある日、いつもの様にYouTubeを見ていると、オススメに出て来た動画のタイトルを見てドキッとしました。

「自分を好きになれないあなたへ | 想いを武器にする一流の生き方」

動画のタイトルが、当時の私にぴったり当てはまっていたからです。

私と同じ様に自分のことが好きになれず、コンプレックスを抱えて悩んでいる女性からの相談でした。そして、大愚和尚の回答は、私が今まで調べてきたどんな解決法とも違って、すごく新鮮なものでした。

https://youtu.be/GCuYf9JZYwc

かけがえのない命に気づく

動画を見終わると、言葉では説明できない熱い気持ちが込み上げてきました。

私たちの命は皆、何とも代えることができないほど尊いもの。その命をもって、限りある人生で、自分はどう生きていきたいのか?ということを核に持ち全力で生きると、自分が誰かと比べてカッコ悪いという考えが入り込む余地がない」

この言葉を聞いた時、長年抱えていたコンプレックスが、気にするのに値しないくらい小さなことに感じられたのです。

また、これまでも「人生は有限である」と、理解しているつもりでしたが、全く実感を持っていなかったのだと気づき、反省しました。と同時に、自分はすごくもったいない時間を過ごしてきたのだと痛感しました。

というのも、それまでの私は、時間さえあればテレビやSNSをチェックして過ごしていたのです。

テレビやSNSは必ずしもいけないことではないかもしれません。しかし、当時の私は時間の大半を投じてしまっていました。

もちろん、その時は楽しんで観るのですが、必要以上に多くの時間を費やすことで、本来は比べられるはずもない命のある人間と人間を比較しては、誰かより優れている・劣っていると感じ、自分を卑下するという状況を、知らぬ間に自ら作ってしまっていたのかもしれないということに気づきました。

心身に起こった嬉しい変化

動画を見た日から、「自分はどういう人で、何が好きなんだろう?これからどうやって生きていきたい?」と考える様になりました。

そして、しばらく経った今、新たにやってみたいことが見つかり、それを達成すべく毎日試行錯誤しながら過ごしています。

目にする情報も慎重に選ぶようになりました。毎日見ていたSNSは、まれにしか見なくなり、その時間は、自分の目標に向かって勉強をする時間にあてています。

1つ、気づいたことがあります。肉体的には前よりもハードに動かしているはずなのに、不思議と身体がスッキリして疲れづらくなったのです。以前のように膨大な情報を無差別に頭に入れて、あれこれ考えすぎなくなったからかもしれません。

正直なところ、今も完全に自分が好きとは言えません。

しかし、自分のコンプレックスや嫌いなところについて悩むよりも、「この自分にも、誰かのために出来ることはないだろうか?この限りある人生の時間でやってみたいことは何だろう?」と考えて行動に移した方が、充実感を感じられることがわかるようになりました。

自分のことが大好きになったり、コンプレックスを克服したという結論には至らなかったかもしれませんが…以前より、今のわたしにできることを考えて、ワクワクする瞬間が増えたのです。これはわたしにとって、すごく嬉しい変化でした。

もしかしたら今後の人生で、また自分のことを受け入れられずに悩んでしまう時が訪れるかもしれません。

そんなときはこの一問一答を見返して、命のかけがえの無さを思い出し、これからどんな人生にしていきたいのか、改めて見つめ直そうと思います。

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by寺町新聞編集室

ABOUT ME
上田みさき
寺町新聞の執筆・取材を担当。日常の小さなことから得た学びや気づきを取り上げて言葉に紡ぎ出すことに心を注ぐ。心を磨き、しなやかに生きるために仏教の教えを日々実践中。趣味は旅行・英語・デジタルイラスト・折り紙・小学生から続けているダンス。好きな食べ物は抹茶アイス。
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