寺町ニュース

書道vol.2:字のスタイルと表情

本日の学び

「私はスタイルがよくないから(笑)。こうやって、字を恰好よくしてあげるの。スタイル抜群にしてあげるのが、楽しいでしょ。」

本日の学びは、「字のスタイルと表情」です。


「日」の書き方

「今日は7月9日、日曜日です 。」

これだけの文の中に、4つも書かれるのが、「日」という字です。よく使う字で、とてもシンプルな字です。だからこそ、書き方を知れば、違いが大きく感じられます。

ポイントは以下の3つです。

  1. 縦に長く書く
  2. 右の縦線を、左よりも太く、長くする
  3. 曲げ(折れ₋横画から縦画)の書き方を知る

私が初めに書いた字は、横に広がっていました。すこし野暮ったい感じがします。

先生の書いた字は、縦に長く、スラっとしています。上のひらがなの「ご」とも相まって、全体が引き締まって見えます。

また、左右で太さを変えたり、長さを変えることで、字に深みが出ます。

「曲げ」は書道の技法のひとつです。先生曰く、「誰でもそれらしい形にはなる。けれど、技法の仕組みを理解して、きちんと書くことで、出来栄えにわずかだけれど、確実に差が生まれる」ということです。

怒った字と笑った字

字にはスタイルだけでなく、感情があります。先ほどの私の字は、字が緊張していました。先生が、笑った字を書いてくださりました。

確かに、楽しさが伝わってきます。笑い声が、聞こえてくるようです。

先生は、他にも様々な感情を字で表すそうです。自分が感情に取りつかれて書くのではなく、字に感情を持たせるのです。そのためには、自分自身が、どんな感情も見えるくらいの、高い視点で字を書く必要があります。

まとめ

字は、書く人の感情を表すだけではありません。書き方次第で、字自体に感情を持たせることができます。

また、書き方次第で、モデルのようにかっこよくなったり、近所のおばちゃんのように優しく温かい字になったりします。これらの違いを、楽しむことで、いろいろな字を書けるようになります。

仏教の教えに「内観」というものがあります。これは、自分の内側、意識や状態を、客観的に観察していくことです。自分の背丈、歩幅を知り、自分が怒っているのか、喜んでいるのかを知ること。

そしてそれらの観察を楽しむことで、自分への理解が深まり、いろいろな操作ができるようになります。

あとがき

私はお寺で、毎朝座禅を行っています。眠気に襲われてうとうとしたり、その日あることに緊張してドキドキしたり、アイデアが出てきて、試したくてうずうずしたり、いろんな思いが出てきます。最近は、蚊が近づいてきて、体がキュッと緊張するのを感じました。

そんな風に、自分自身を観察することで、いろいろな感情を使いこなせるようになってゆけたらと思います。書く字も、書いている自分自身も、よく見つめて行きたいです。

本日もありがとうございました。

洞貫善龍

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