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逆境のエンジェル(第13話) 異文化間結婚でのチャレンジ

2025 5/16
連載記事 逆境のエンジェル
2024年4月15日2025年5月16日

➤逆境のエンジェルとは

「逆境のエンジェル」とは、アメリカで生活する著者が、自らの人生をふり返り、いじめや身体障がい、音楽への情熱、音楽療法士としての歩み、異文化での生活、異文化間結婚、人種差別など、さまざまな体験・挑戦を通じて得た気づきと学び、成長をつづった物語です。

➤前回のあらすじ

 アメリカで生活して感じた違和感のひとつ、人種による居住地の分離。ここから見える人種差別の実態について、くわしく語っています。(第12話『居住分離にみるアメリカ社会』はこちらからご覧ください)

目次

義理の親との複雑な関係

 私は2年間の交際期間を経て、教師として働くアフリカ系アメリカ人の男性と結婚しました。

 彼との出会いは、アメリカ社会や世界における、さまざまな問題についての理解を深める機会となり、私の知識の幅を広げる挑戦でもありました。

 私たちは、アメリカ本土以外で結婚式を挙げることに決めました。

 ハワイで行う式は、アメリカの伝統的な挙式に比べコストが抑えられますし、ビーチでの結婚式に憧れもありました。

 それにハワイなら、挙式後そのまま新婚旅行として楽しめるとの考えもありました。

 挙式には、夫側からは誰も参加しない、小さな規模で行うことになりました。義理の両親は、彼が中学生のころに離婚しています。

 義父の不参加は、病気の悪化が理由でした。私たちを心配させないために、そのことは伏せられていましたが、結婚を祝福する気持ちはしっかりと届けてくれました。

 さらに義父は、私たちが結婚した年の感謝祭(※)前に、アメリカ先住民が作る、とうもろこしの粉で作る詰め物のレシピを夫に伝授。

 これは代々彼の家族に伝わるもので、このレシピを伝えてくれたことは、私が家族の一員になったことを示す証であり、私にとってこの上ない贈り物でありました。

 義父は、その10カ月後に亡くなりました。義父とは一度電話で話しただけ。

 遠く離れた場所に住んでいたこともあり、実際に会うことはかないませんでしたが、私を家族として迎え入れてくれた温かな気持ちには、心から感謝しています。

 一方、義母はわりと近くに住んでいましたが、ほとんど接点がありません。

 彼女は私が日本人であることに嫌悪感を抱いていましたし、夫も幼少時代からのトラウマから、母親との交流を避けていました。

 ただ彼は、私に自分の家族との絆を作ってあげられないと、悩んでもいたようです。

 しかし私は、自分勝手かもしれませんが、一般的な嫁姑問題がないことを好都合に思っており、嫌われているなら関わらない方がよいと感じていました。

 夫が母親から受けた数々の虐待行為は許しがたいものであり、関わりがない方が精神的にも穏やかでいられました。

 ただ、義母にもトラウマや辛い幼少期があったのだと思います。長い黒人奴隷の歴史を通じて受けた非人間的な扱いは、特に黒人女性に複雑な視点を植えつけることになりました。

 その結果、アフリカ系アメリカ人のコミュニティでは、黒人男性が黒人以外の女性と交際・結婚することを、現在も「忠誠心の欠如」や「裏切り者」と見なすことが多いのです(くわしくは末尾のコラムをご参照ください)。

 義母にとっても、息子がアジア人と結婚したことは、決して歓迎できるものではなかったのでしょう。異文化間の結婚がこれほどハードルの高いものだと、私は改めて思い知ることとなりました。

※ アメリカ合衆国では、感謝祭は11月の第4木曜日に祝われます。

ウェディングドレスの危機!

 女性の多くが夢見ること、それはウェディングドレスを身にまとうことではないでしょうか。私もその夢を抱いたひとりでした。

 私のウェディングドレスは、自分で選んだデザインをもとに、職場の友人であるソーシャルワーカーの姪(めい)が手作りしてくれました。

 完成したドレスは、まさに私のイメージ通り! ドキドキしながらスーツケースに詰め込み、彼とともに1週間のハワイ旅行に向け、準備にいそしみました。

 現地で合流する私の両親との食事会も待ち遠しい、それは至福の時間でした。

 旅立つ当日。搭乗する飛行機では、大柄な彼のために足元が広いシートを予約し、高鳴る胸を抑えつつ座席につきました。

 ところが…いよいよ出発というときになって、機内で私の名前がアナウンスされたのです。

 何ごとかと思い、案内に従って搭乗口へ戻ると、スーツケースが鍵がかかったままで開かないため、飛行機に積めないとのこと。

 その瞬間、私の顔から血の気が引きました。そのスーツケースのなかには、私のウェディングドレスが入っているのです!

 検査官によると、スーツケースの片側が軽すぎるため不審に思ったとのこと。

 「それはそうですよ、ウェディングドレスを傷つけないよう、片側にしか入れてないんですから!」そう訴える私の足は震え、正直、冷静さを失っていました。

 機内に戻り、彼に話すと、すぐに係員と連絡を取って事情を説明してくれました。

 スーツケースを壊しても、テープで固定しても構わない、あるいは遅れてもいいから荷物を届けて欲しい、と。

 するとその直後、私たちは座席の移動を余儀なくされました。

 わざわざ広い席を購入していたのに、狭い中央の席への移動です。理由をたずねても、「都合により」といわれるだけ。夫は不機嫌になり、私はますます混乱してしまいました。

 のちに判明したのは、私たちは疑われたために座席を移されたということ。

 私のあわてふためく様子や、体格の大きな黒人男性と小柄なアジア人女性のカップルという外見、さらにスーツケースのトラブルが、航空保安官の警戒を引き起こしたようです。

 現地に着いても、頭はスーツケースのことでいっぱい! 夫は私の不注意とあわてっぷりに怒り、ホテルではさんざん小言をいわれました。

 私も「私に任せっきりだったじゃない! それなら、いい、もう帰る!」と、売り言葉に買い言葉でヒートアップ。

 それでも両親との夕食時には、お互い冷静さを取り戻し、楽しい時間を過ごすことができたのは幸いでした。

 スーツケースも深夜2時ごろに届き、ビーチでの結婚式を、無事、挙げることができました。そして、残りの滞在は平穏に過ぎ、自宅に戻ることができました。 ​​

2つの質問から読み取れるもの

 私たち、特に女性は、詮索(せんさく)や噂話が好きな傾向があるように思います。

 ​​婚約や結婚を経て、私はしばしば2つの質問を受けます。最初の質問は「彼は背が高いですか?」というものです。

 私は通常、「はい、私より高いです」と答えるのですが、あるとき私の夫を知る同僚が、この質問に対し、「彼は本当に背が高いの。

 185センチはあるでしょう?」と返答しました。その結果、夫の身長についての噂が職場に広まることになりました。

 2つ目の質問は「ご主人は日本人ですか?」です。

 私が「彼はアメリカ人です」と答えると、次に「ヨーロッパ系の白人ですか?」と質問が続きます。

 そして私が、「アフリカ系アメリカ人」であると明かすと、態度が明らかに変わります。

 たいてい「ああ、それは素敵ですね」といわれるのですが、その言葉には何かを含んでいるように感じられます。

 これは、白人と結婚すれば地位が上がり、黒人とではそれがないという、無意識のうちに抱いている差別を示しています。

 特筆すべきは、私がこの質問を受けるのが、アジア人の同僚や日本人であること。

 残念ながら私たち日本人も、無意識のうちに肌の色によって人を判断しているのです。その歴然たる事実を、多くの人は気づいていないかもしれません。

次回は、結婚後のチャレンジへと物語を進めていきます。

第14話はこちら

記事の一覧はこちら

Angel’s column 【知ってほしい! アメリカの社会的背景 その④】

 黒人女性が、黒人男性と他の人種の女性との恋愛や結婚を見るときの感情は、奴隷制や人種差別、そして美に対する基準など、長い歴史と社会の影響が関係した、非常に複雑なものになっています。

 たとえば黒人女性にシングルマザーが多いのは、昔の奴隷制で家族がばらばらになり、男性不在の家庭にあって、女性が一家の主(あるじ)として切り盛りしなければならない状況が続いたことが影響しています。黒人女性はパワフルというイメージがありますが、それはそうした歴史的背景に起因しているともいえるのです。

 また、西洋の美意識の基準に合わせようとするプレッシャーから、黒人女性はいつも、そのなかで比較されていると感じ、自分たちは選ばれなかったという屈折した思いを経験しているようです。こうした感情は、メディアや経済状況によっても強くなっているため、黒人女性が抱く不安や不満の解消には、人種や性別に基づく不公平を解決するという、社会的な取り組みも必要であると考えられます。

(感想、メッセージは下のコメント欄から。みなさまからの書き込みが、作者エンジェル恵津子さんのエネルギーとなります。よろしくお願いします。by寺町新聞編集室)

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この記事を書いた人

エンジェル 恵津子のアバター エンジェル 恵津子

東京都出身。音大卒業後イギリスに渡り、現在はアメリカのカリフォルニア州立病院で音楽療法士として勤務。和太鼓を用いたセラピーは職員、患者共に好評。厳しい環境下で自分に何ができるのか模索しながら、慈悲深く知恵のある人を目指して邁進中。
歌、折り紙、スヌーピーとスイーツが大好き。

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