MENU
  • ホーム
  • 寺町新聞とは
  • どっこいしょOnline Store
  • お問い合わせ
仏教を、もっと暮らしのそばに。
寺町新聞
  • ホーム
  • 寺町新聞とは
  • どっこいしょOnline Store
  • お問い合わせ
  • ホーム
  • 寺町新聞とは
  • どっこいしょOnline Store
  • お問い合わせ
寺町新聞
  • ホーム
  • 寺町新聞とは
  • どっこいしょOnline Store
  • お問い合わせ
  1. ホーム
  2. 寺町ニュース
  3. The Message vol.1 〜漆器作家・笹浦裕一朗さん〜

The Message vol.1 〜漆器作家・笹浦裕一朗さん〜

2024 6/18
寺町ニュース The Message
2024年6月18日

「The Message」は、各分野のプロフェッショナルの「受け継いだ想い」「伝えたい想い」にスポットを当て、世界に気づきと、共感の輪を広げていくためのプロジェクトです。

第一回目は、うるしの力を借りて「命をいただく」ための器を作る、漆器作家 笹浦裕一朗(ささうら ゆういちろう)さんのメッセージです。〈聴き手:ちてつ和尚〉


ちてつ: まさか笹浦さんのアトリエで、こんな素晴らしい仏様にお会いできるとは思いませんでした。

笹浦:これは、妻が彫った観音菩薩(かんのんぼさつ)です。妻はその昔、仏像を彫ることを生業としていたことがあって。仏像彫刻の道では、私は妻の足下にも及びません。

観音菩薩がアトリエを静かに見守る

笹浦:かつて、私はロダンのような今にも動き出しそうな形に憧れて、あるデッサン教室に通っていました。そこで出会ったのが妻でした。

その頃には、すでにおおかた漆器は作れるようになっていましたが、それでも、漆器で生計を立てることは考えていませんでした。

その後、妻と家庭をもったことを機に、需要のある漆器を作り始めました。

目次

耳に残る、父がたたく「のみの音」

ちてつ:そもそも漆器づくりの道に入られたきっかけは?

笹浦:20歳の頃、あるお椀作家さんと出会ったのがきっかけです。しかし、最初の頃は、ひとつの作品を作るのに相当な時間を費やしてしまい、「これは自分の手には負えない」と一旦諦めたんです。

でも、心のどこかで「自分で作ったもので生計を立てたい」そして、「木製のものがよい」という思いだけは持っていました。

ちてつ:どうして「木製のもの」がよかったのですか?

笹浦:私の父親は、もともと大工でした。私の耳には、父がたたく「のみの音」が今でも鮮明に残っています。「自分もあんな音を響かせてみたい」という感覚がありました。

そんな幼少期を送ったことで、「私と『木』は、切っても切れない関係だ」と、いつしか思うようになっていったのだと思います。

ちてつ:人が死に至る時、最後の最期まで残る感覚は、「聴覚」だといわれています。旅立ちのあと、すぐに僧侶が「お経」を読むのも、最後に残る「耳」の感覚を通して、お釈迦さまの教えを悟ってほしいとの思いが込められています。

お父さんが醸し出してきた「音」が、今の笹浦さんのいしずえを築いていたんですね。

笹浦:そうかもしれないですね。父には頭が上がりません。

その後、再び漆器への思いが再燃し、ある日思い立って、なんのつてもない石川県の山中温泉に向かいました。「山中漆器」を学びたかったのです。しかし、そう簡単には修行させてもらえるところが見つかるわけもなく、あの時は本当に苦労しました。23歳の時でした。

笹浦さんお手製の工具がいくつも並ぶ

「木」そのものに、心を寄せる

ちてつ:漆器というと「輪島塗り」なども有名ですが、あえて「山中漆器」を選ばれたのは?

笹浦:一般的には、輪島塗りは「うるし塗り」の優美な装飾に特長があり、山中漆器は、「木地(きじ)づくり」に特長があるといわれています。木地とは、漆器の下地となる白木のままの器を指します。

今では、旋盤(せんばん)という自動切削機で成形することが増えましたが、私は今だに、「和式手引きろくろ」を用いて、自作の刃物で、ひとつずつ挽いて(削って)います。

経験と感覚を頼りに、鮮やかに形を決めていく

ちてつ:装飾前の、「器の形」から命を吹き込んでいるのですね。

笹浦:はい。「いかに、木に心を寄せるか」を大切にしています。木の性質に合わせた刃物を選び、どれだけ抵抗なく形づくるかというところが、私の作品の特長のひとつです。手仕事とは何か、日々考えさせられます。

ちてつ:作品にはどれも、笹浦さんのような「真っ直ぐさ」と、「親近感」を感じます。

笹浦さんの手によって生みだされた、世界にひとつだけの形

笹浦:作業の一連の流れに、「自分の心」がぴったりとはまる状態になっていきたいとは、つねづね思っています。そうすることで、自分の思いや心が、もっとも自然な形で表現できるかなと思うのです。

ただ、忙しさに追われないよう心がけてはいるのですが、時には余裕がなくて、心がついていかないと感じることもまだまだあります。

「恐れ」も、私の一部

ちてつ:器を作る過程で、不安になったりすることもあるのでしょうか?

笹浦:はい。「恐れ」はいつも抱いています。「壊れてしまったら、ミスがあったらどうしよう」と。いまだに、得たいの知れない敵から逃がれられない夢を見る時もあります。

自分が幸せにならないと、人を幸せにすることはできないと考えています。自分が整うことで、作った物自体に力が宿って、ようやく人を癒すものが作れるのだと思います。

でも、今の私には、まだ「自分」しか見えていません。完璧の基準を自分で作って、自分の心を防御している。それは、人を信用しきれていない表れかもしれませんね。

一滴のうるしが、作業場に緊張感をもたらす

ちてつ:私は僧侶でもあり、WEBデザイナーの顔も持っていますが、デザイナーは、人のための仕事です。あくまでもユーザー視点に立ち、ユーザーにとっての最大効果を生み出すことが仕事であり、説明が求められる仕事です。

でも笹浦さんは、自己表現を通じて、笹浦さんにとっての最高の作品を生み出すのが仕事です。それを待ち望んでいる人たちに向けた作品を作るのであり、説明は必要ありません。

たとえ、整然としたうるしの流れの中に、ひとかけらのほこりが混じったとしても、それが笹浦さん自身であり、それをまるごと愛してもらえる人こそが「アーティスト」だと思います。

笹浦さんは、すでに立派な「アーティスト」です。

思わず言葉を呑む、圧巻の筆さばき

笹浦:おっしゃる通りです。今のお言葉を聞いて、私が何をすべきなのかがよくわかりました。ひたすら自分の目の前のことに徹すればいいのですよね。

そして、今までになく、自分の仕事は「アート」なんだと思えました。

ちてつ:笹浦さんの「恐れ」が「親近感」となって、作品に反映されているのだと思います。作品にはどれも、笹浦さんという人の温かみと優しさが映し出されています。

ありのままに、自分を許す

ちてつ:「理想の死に方」はありますか?

笹浦:理想の死に方があれば、今が決まるように思いますが、それがまだ漠然としているのですよね。

ちてつ:99%の人が後悔しながら死ぬと聞いたことがあります。人はみなそんなものかもしれません。でも、何となくでもいいから理想の死に方を抱いておくと、先のビジョンが明確になって、迷いなく道を進めるかもしれませんね。

現在は併設のカフェを営む、妻まりさんとともに

笹浦:確かにそうですね。そういう意味でいうと、今仕事以外で興味があるのは「米作り」なのですが、「地球で生きている感覚を忘れてはいけない」という思いが強くなってきています。

米作りをしながら、「大地に根ざす」とはどういうことかを深く体で感じて、その上で作品づくりに臨みたいと思っています。

そのまま、私自身も自然に還るがごとく、死を迎えられたらいいですね。

妻まりさん作の豆仏(まめぶつ)が穏やかに微笑む

ちてつ:素晴らしいです。 自然とは、「おのずからしかるべき」と書きます。あるがままにいれば、ひとりでにしかるべき状態になってゆくのですよね。

人はいつ死ぬかわかりません。明日死ぬかもしれないと思い続けることで、あらゆるものが貴重に思えて、そう捉えたら、毎日が変わっていきます。

笹浦さんのこれからの作品が、ますます楽しみになってきました。

笹浦:共感いただけて、また作品づくりを他の視点から見ていただけたので、大変心がほぐれました。

「ありのままに、自分を許す」。これを自分の課題として、これからも作品を作り続けていきます。

聴き手/知哲(ちてつ)和尚:人や物事のクセを魅力に変え、本人が知らなかった本当の魅力を探り当てることを、生業とする僧侶であり、寺町新聞編集長。「The Message」では聴き手をつとめる。

〈pickup〉

静寂と大地に根ざす力強さが生みだす唯一無二の漆器、おわんのささうら・笹浦裕一朗さんの作品は、今ならオンラインショップ「寺町商店」からご購入いただけます。

写真ギャラリー

寺町ニュース The Message

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Follow Me
よかったらシェアしてね。
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
  • 逆境のエンジェル(第22話) アメリカに息づく日本文化
  • 【花まつり2024】生きとし生けるすべての命の祭典・前編

この記事を書いた人

志保のアバター 志保

寺町新聞・副編集長。自身を「透明なうつわ」と捉え、向き合った人の「色」を鮮やかに描き出すことに心を燃やす。執筆・編集のほか、企画ディレクターとしても活躍。回遊魚のごとく、日々人探しと情報集めに奔走している。好きな食べ物は、しょうがの甘酢漬け。

関連記事

  • 家族のなかに咲いた佛性/佛心の輪インタビュー(3−3日本編) 福厳寺僧侶:雄興知哲(ゆうこう ちてつ)さん
    2026年7月8日
  • 人生を変えた、大愚和尚との出会い 佛心の輪インタビュー(3−2日本編) 佛心宗僧侶:雄興知哲(ゆうこう ちてつ)さん
    2026年7月2日
  • 知哲和尚の 思い出能登紀行 〜和倉温泉編 Part 2〜
    2026年6月29日
  • 知哲和尚の 思い出能登紀行 〜和倉温泉編 Part1〜
    2026年6月24日
  • 知哲和尚の 思い出能登紀行 〜プロローグ〜
    2026年6月2日
  • 育ったのは、自然豊かな山寺だった 佛心の輪インタビュー(3−1日本編) 福厳寺僧侶:雄興知哲(ゆうこう ちてつ)さん
    2026年2月14日
  • 新刊:どんな悩みも手放せる100の言葉『大切なことは全部お経に書いてありました』
    2026年1月17日
  • 火の中を歩み「三毒」を燃やす——2025年「あきば大祭」レポート
    2025年12月21日

コメント

コメントする コメントをキャンセル

このサイトは reCAPTCHA によって保護されており、Google のプライバシーポリシー および 利用規約 に適用されます。

reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。

Tags
あきば大祭 お寺と宗教の歴史 ご縁日 どっこいしょ どんな悩みも手放せる100の言葉 ナーランダ出版 一問一答 仕事も人間関係もうまくいく離れる力 佛心僧学院 佛心大祭 佛性を活かす 僧侶クリエイター 内弟子道場 大愚和尚 大愚道場 寺町構想 慈縁の会 新刊 福厳寺550周年 経営マンダラ
新着記事
  • 家族のなかに咲いた佛性/佛心の輪インタビュー(3−3日本編) 福厳寺僧侶:雄興知哲(ゆうこう ちてつ)さん
  • 【カルチャーブリッジ】二つの文化の間で 「慈光」2026年4月号Vol 5−3
  • 【名作アニメに見る仏教】お釈迦さまの教えに重なって見えた『アンパンマン』
  • 【カルチャーブリッジ】沈黙が遺したもの〜戦時収容所の日記から 〜「慈光」2026年4月号Vol 5−2
  • 人生を変えた、大愚和尚との出会い 佛心の輪インタビュー(3−2日本編) 佛心宗僧侶:雄興知哲(ゆうこう ちてつ)さん
記事カテゴリー
  • 寺町ニュース
  • 寺町行事報告
  • ピックアップ
  • お知らせ
  • 佛心の輪
  • 母からの便り
  • 連載記事
    • 大愚和尚の物語
    • アニメに見る仏教
    • カルチャーブリッジ
    • 逆境のエンジェル
    • アマゾンの侍
    • 禅語マンガ
  • The Message
運営会社

株式会社ナーランダ出版

ナーランダ出版は「世界に知恵の花束を」をコーポレートメッセージに掲げ、仏教の智慧、日本人の「知恵/伝統の技/こころ」を世界に配信します。

This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.
  • 寺町新聞とは
  • プライバシーポリシー
  • 特定商取引法に基づく表記
  • お問い合わせ

© 寺町新聞.

目次