大愚和尚のYouTubeチャンネル「一問一答」の動画を、多言語に翻訳して世界中の人に届けたい…。そんな志を持った人が集まりスタートしたコミュニティ「佛心国際交流部」。
この佛心国際交流部で、熱くまっすぐな思いで活躍されているのが、白蓮理祥(びゃくれんりしょう)さんです。今回は、そんな理祥さんの真摯な思いをご紹介いたします。
誰かのために一生懸命になれる場所
世界に佛心の輪を広げ、自分のできることで相手に貢献することを目的とする「佛心国際交流部」。
主に、英語・スペイン語・イタリア語…と15カ国に及ぶ言語で、動画「大愚和尚の一問一答」を翻訳するほか、日本語の字幕制作も行なっています。
また最近では、動画以外の翻訳を行う「ノンビデオグループ」や、仏教を絵や料理などさまざまな方法で視覚化する「アートグループ」も立ち上がり、佛心大祭やあきば大祭にて、参拝者を楽しませる企画を催しています。
その中心メンバーとして活躍する理祥さんは、こういいます。
「“国際”と名はつくけれど、必ずしも日本語以外の言語力が必要なわけではありません。各々の「仏性(個性や特長)」を見つけて、磨く場所です。しかし、一生懸命にならなければ仏性は磨かれません。ここは、誰かのために一生懸命になれる場所です。」
善友の声
そんな理祥さんのまっすぐな思いに共感する善友から、今回の取材に際し、続々とお声が寄せられました。一部抜粋してご紹介します。
岡田浩二さん
私は、「翻訳ボランティア」という文字に興味を持って参加しはじめました。週1回ですが、仏教を学べたり、ほかの方々のお話を聞くことができて、良い学びの機会を得ていると感じ、感謝しています。
純篤湖水さん
私は交流会に参加させていただき2年近くになります。
皆さんの意見や考えに静かに耳を傾けておりますと、自分がいかに愚かでチッポケな人間であるかを気づかされることが多々ございます。何かと気忙しい日々の生活のなかで、同じ志を持つ方と切磋琢磨しながら、心のをリセットができることがありがたいです。
スチンガルラさん
佛心用語・教え、読経会、佛心会月一交流会などに参加しています。生き方について、とても勉強になります。
仏教という「光」を届けたい
そもそも、理祥さんが佛心国際交流部の活動を始めたきっかけは何だったのでしょうか?
「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)が猛威を振るっていた頃。世界がどこに向かうのかわからない状況にあって、光となるものがなくては、人は前に進めないと感じました。COVID-19という未曾有の危機に瀕した今こそ、自分が動くべきと思ったのです」。
世界の人々に仏教という光を届けたい。蓮見さんの切なる願いは多くの人の共感を呼び、やがて志を同じくする人たちのサンガへと発展しました。
出会いは人生を豊かにする
好きな言葉は「単刀直入」と語る理祥さん。人に対してまっすぐに向き合うと決めていると話します。
さらに、「出会いは人生を豊かにします」と明言する様子は、まるで、自身の人生をよりふっくらと充実させてくれた「善友への感謝」を述べるかのよう。
そして、理祥さんには、感銘を受けたもう一つの出会いがありました。
続きは、ぜひ動画でご覧ください。(以下の画像をクリックしてください)
編集後記
ここで、理祥さんからみなさんへのメッセージをご紹介します。
私の初めての誕生日は、母の命日でした。その後施設に預けられ、あらゆる虐待と不幸の渦から脱けだせない日々を過ごしていました。しかしどんな状況でも、自分に灯りをあて続け、「大愚に一隅を照らす努力をし続ける」と心に誓って生きてきました。
その後、奨学金で立派な教育も受けさせていただき、女性では珍しいサイバーセキュリティの責任者として海外で働くまでになりました。日本語さえろくに話せなかった私が3つの言語を使いこなして働いています。
いつか誰かの灯りや希望になりたい、どんな環境でも蓮の花のように生きていたいと願い続けてきましたが、まさに今叶いつつあります。
仏教には苦しみを手放し、幸せに生きるヒントがあります。この仏縁、この幸運、そしてなによりも佛心のサンガの仲間、そしてあなたに巡りあえたことを深く感謝しています。
白蓮理祥
「私は縁と運がいいので、いつもいい人が集まってくれるんです」。そう言って笑う理祥さん。「みんないい人」という言葉が頻繁に飛び出すお話からは、「メンバー1人ひとりに光を当てる」思いが感じられました。
こちらの目をまっすぐ見て話される様子に、最初こそ緊張しましたが、お話が進むにつれ人間味あふれるキュートな方だとわかり、心が温かくなりました。
慈悲と知恵と仏性と。さて私はどうだろうと、自身を振り返るきっかけもいただいた貴重な時間となりました。
語学の苦手な身からすると、少し雲の上の存在のように感じていた国際交流部。でも、理祥さんをはじめとした皆さんの活動は、とても身近なものだったことに気づかされました。
杉井千美