2023年に発足した佛心サンガコミュニティー「慈縁の会」。佛心会員が善友とともに自身を成長させる場として、ますます広がりを見せています。
名古屋で開催された会も含め、第3回目となる今回は、9月23日に東京・秋葉原で開催されました。
いったいどのような内容となったのでしょうか。そのリアルな様子をお伝え致します。
いま1人で頑張ることにどこか限界を感じている方。明るく楽しく、自分を高めたい方。そして今後の参加を検討されている方へ。ぜひ最後までご覧頂けましたら幸いです。
4匹の鹿に込められた意味
ところで、慈縁の会は、なぜ“鹿”をシンボルマークにしているのでしょうか。
かつてお釈迦さまがいらっしゃった時代。ある国の国王が、お釈迦さまと共に修行する人々を見て言いました。
「修行と言えば厳しく、難しい顔をして励むものだ。しかし、お釈迦さまと共にいる修行者は、みな明るく、生き生きとした顔をしている。そして『鹿』のように、知恵や好奇心に溢れた心を持っている」
この言い伝えを受け、慈縁の会のマークには「鹿」が採用されています。
またお釈迦さまは、修行者同士が互いに調和し高め合えるグループ「サンガ」の人数について、弟子たちに「4人以上で修行をせよ。」とおっしゃったことから、ロゴには4頭の鹿が描かれています。
そのような志で善友がつながり、ともに学び合うための佛心宗公式コミュニティー。それが慈縁の会です。
「皆さんの心のかけ橋になりたい」開催への想い
冒頭、教化部長の慈香さんが、参加者の皆さんへ開催の想いを語りました。
「この会で最も大切にしているのは、参加者全員が安心して話が出来る環境です。
自分とは全く違う人と出会うことで、自分の中で新しい気づきが起こることがあります。私自身も、これまで様々な方と関わる中で、多くのことを学ばせて頂きました。
また“善友”とは、この人と仲良くならなきゃと意図的に作ろうとするものでなく、色んな意味を含めて『この人と一緒にいたい』と感じて繋がっていく関係だと、私は考えています。今日の主役は皆さんです。この集まりをきっかけに、ぜひ色々な方と話し、ご自分の世界を広げて行って下さい」
「出会い」と「つながり」から生まれる喜び
明るく軽やかな口調で慈香さんが挨拶を終えると、いよいよ慈縁の会スタートです。
これまでの会と同様、まずは複数人で1つのテーブルを囲みます。今までは6人ほどでグループを作りましたが、今回は4人1組。さらに互いの距離が近い状態で、それぞれのチームが組まれて行きました。
ほとんどが初対面で、さらには年代も立場も異なる参加者が、上手く繋がり合えるのでしょうか。
しかし、そこは同じ志を持つ佛心会の会員同士。どのテーブルも和気あいあいとして、和やかな雰囲気で、話も弾んで行きました。
あなたはどう考えますか?交流と気づきのワーク
グループが作られたのは、ただ距離を縮めるためではありません。参加者は互いの人となりや考えを理解し合うための、ワークに取り組みます。
今回は、日ごろの私たちの態度や人間関係において重要となる、あるテーマについてお題が出されました。
気付きや考えを話し合い、最後にグループで発表するのですが、ここで、チームそれぞれの個性が光ります。
答えは1つではないからこそ、言葉の定義から考え直したり、常識を疑って考えてみたりと、あらゆる角度から全員が知恵を絞って、課題へ向き合って行きます。
そうした意思疎通のなかで、参加者は自身の思いを言葉にし、相手の意見を受け止めます。考えをまとめるうち、いつの間にかチームの中で、大きな結束が生まれているように見えました。
発表を終えると、どの方も「やり切った」という表情で、互いをたたえ合っていました。
笑顔で語り合う姿は”鹿の心”そのもの。会場は、自分たちの力で課題を乗り越えた喜びや達成感で満たされていました。
鹿のように心弾ませて〜参加者の声〜
今回はどのような方が参加し、どんな想いを抱かれたのでしょうか。参加者お2人と、慈縁の会を企画運営する慈橋推進部メンバーのお1人に、お話を伺いました。
参加者・女性
同じ道を歩む仲間と出会って、みなさんの良いエネルギーを感じたいと思い、初めて慈縁の会に申し込みました。
ブッダの教えを学んでも、日常の生活で共有できる知り合いは、なかなかいません。だからこそ、同じ想いを抱く方と出会いたいと願っていたので、佛心会員同士が集まるこの場に参加できて、本当によかったです。
実際は仏教を語り合うというよりは、皆さんのお考えや、プライベートの話で盛り上がってしまう事の方が、多かった気がしていますが(笑)
慈縁の会は雰囲気が良く、チームの人と色々な話ができ、それが本当に楽しく感じられました。
参加者・男性
私は普段、生活相談を受ける仕事をしています。様々な境遇の人の話を聞くうち、自分の中で軸になるものが欲しいと思い、『大愚和尚の一問一答』を見るようになりました。
今は佛心僧学院をオンラインで受講して、多くの学びを頂いているのですが、一方で実際の仲間に会ってみたいと思い、慈縁の会に参加することを決めました。
ここで出会ったみなさんは、それぞれが違う背景を持っていましたが、やはり共通の想いがあるので、話がよく合います。交流していて気持ちがよく、特にみんなで取り組んだワークは盛り上がり、これまでにない充実感を感じることができました。
慈橋推進部スタッフ・妙敬さん
いつもは私も、大愚和尚に教えて頂いたことを、個人的に受け止める機会が多いのですが、ここでは参加者同士が主体的に意見を交わし、“学び合う”時間があり、これが慈縁の会ならではの良さだと思います。
話し合いと発表を経て、一致団結したみなさんの生き生きとした表情が、とても印象的でした。
閉幕後、この時間が終わってしまうことが名残惜しそうに、連絡先を交換されている皆さんの姿に、善友の輪が広がっているのを感じました。楽しく充実した時間を過ごしていただけたようで、本当に嬉しく思っています。
みなさんがもっと繋がり、これから何度も参加したいと思える慈縁の会となるよう、今後もサポートを続けていきたいです。
編集後記
終了後、皆さんの心は、鹿のようにぴょんぴょん跳ねている様に感じられ、このエネルギーは、いったいどこから生まれたのだろうと考えました。
おそらく、これは日ごろ大愚和尚が大切にされている「体感」に、そのヒントがあるのではないかと思いました。
慈縁の会のワークはすべて、参加者による実践です。自分の知恵と、相手の知恵を合わせて、最善と思える解を見出した時の喜び。意見を出し合うなかで、自分と相手を理解し、世界が広がっていくような希望。
お互いの心に橋が掛けられ、1人では得る事の出来ない喜びを体感したからこそ、それが、外側へあふれ出ていたのではないかと思います。
慈縁の会は、まだ2023年に始まったばかりです。しかし、すでに皆さんがここまで結びつき、深まり続けていることが、本当に素晴らしいと感じました。これからも佛心会員がともに成長し、慈縁の会が明るく楽しく続いて行く事を、願っています。
取材:柴崎彩夏