2022年7月23日、福厳寺のお膝元である愛知県名古屋市にて大愚道場が開催されました。
大愚道場の運営を支えているのは、「佛心」と書かれた紺色の法被を着たサポートメンバーの皆さんです。どのメンバーも一様に、「自分より人の役に立ちたい」という強い想いを抱いてサポートに臨んでいました。(#1の記事は、こちらから)
さて完結編となる今回も、引き続きサポートメンバーの想いや、閉会後に行った大愚和尚を囲んだ振り返りの様子などをご紹介していきます。
【目次】
- 膨らんだつぼみが開くとき|サポートメンバーの声 ・「思うだけではなく実践したい」~鈴木優子さん~ ・「心がストンと溶けて軽くなった」~知春(ちしゅん)さん~
- 「反省をしたいので、なんなりと」振り返りの会
- 編集後記
膨らんだつぼみが開くとき|サポートメンバーの声
◆「思うだけではなく『実践』したい」~鈴木優子さん~
かつて、苦しみは「抱えながら生きていく」ものと捉えていた鈴木さん。大愚和尚と出会って初めて、苦しみは「手放す」ものであると知りました。
また、「人の役に立つことこそが自分の存在意義」という考えは、「自分を大切にしつつ、人の役に立ちたい」へと変化し、思うだけでなく「実践したい」と考えるようになります。その第一歩としてサポートメンバーに手を挙げました。
当初は、「一日でも早く参加したい」と考えていましたが、コロナ感染症の拡大を鑑みて断念。しかし諦めず「東海地方で開催する際には必ず参加したいです」と意志を示し、このたび念願がかないました。
「参加できたことはもちろん、運営の皆さんが私のことを記憶してくれていたことも嬉しいです。今日はもう胸がいっぱいです。」
鈴木さんは、屈託のない笑顔で心の内を明かしてくれました。
◆「心がストンと溶けて軽くなった」~知春(ちしゅん)さん~
「とにかく何か変わるきっかけをつかみたかったのです」
永代供養への興味と、数年前から抱えていた悩みの対処法を求め、かねてよりYouTubeで知っていた大愚和尚のところへ足を運んだ知春さん。
その際に勧められた「授戒会(じゅかいえ)」を機に、さまざまな行事に参加し始めます。
それ以来、福厳寺の人々の笑顔と真摯な態度に心が温まる経験を重ね、ある日「心がストンと溶けて軽くなった」と当時を振り返ります。
次第に手を合わせる機会が増え、「形が変わり、順に心も変わっていきました」という知春さん。憎しみの対象をも愛せるようになったことへの感謝から、「今度は私が誰かの役に立ちたい」とサポートメンバーに名乗りを上げました。
この日も、まるで恩返しするかのように、柔らかな空気に笑顔を添えて、参加者一人一人に丁寧に声を掛け続けていました。
「反省をしたいので、なんなりと」振り返りの会
時刻は17時、今回も惜しまれつつ幕を閉じました。
興奮も冷めやらぬ中、場内ではいつまでも隣の参加者と談笑したり、大愚和尚のグッズを購入したり、僧侶やサポートメンバーに声を掛ける人で盛況のまま。
やがて、参加者は名残惜しみつつ会場を後にします。
そして、サポートメンバーは会場の後片付けを開始。
後片付けが終わると、大愚和尚を囲んだ振り返りの会の始まりです。「反省をしたいので、なんなりとおっしゃってください」大愚和尚がサポートメンバーに促します。
サポートメンバーは、参加できた喜びの気持ちや自分の近況、佛心宗への思いについて心のままに語っていました。
あるメンバーは「長年パート職員として働いていたが、YouTube『一問一答』を見るようになり、さらに仕事が楽しくなった。すると、ほどなくして社長から『社員にならないか』との提案が。これも大愚和尚様のおかげです。ありがとうございます」と。
この話に大愚和尚は、「素晴らしい、おめでとうございます。経営者の立場からすると、社員にするということは大きなことですからね。それにしても、私の活動に結び付けて解釈してくださるとはありがたい。本当はご自分の成果なのですよ。」とニッコリ。
温かな言葉に、一同は笑い合いました。
ある僧侶は、「今日はいつも指示をくださる僧侶のリーダーが不在の中でお手伝いをさせて頂きました。やや不安もありましたが、『メンバーの皆さんとこうやって協力すればいいのか』と新たに学ぶことができました。」と感謝の意を表していました。
また、「密にならないように時間差で受付をしたり、会場の空調もさらに細かな配慮ができれば」「私はプログラミングが本職なので、受付システムをもっと簡易にできたら」など、具体的な提案も次々と上がります。
大愚道場をサポートするということは、感謝の気持ちや新たな気づきが自然と沸き起こり、メンバー自らが自身の心を磨くこと、つまりこれもまた一つの「ブッダを体感する」ということなのかもしれません。
編集後記
講演の休憩中、サポートメンバーに声を掛ける参加者がいました。その方は、「隣の方が操作するスマートフォンの画面がまぶしくて気になります。なんとかなりませんか?」と訴えていたのです。
しかし、サポートメンバーが「申し訳ありません。ただスマートフォンを使ってメモをとられている方もいらっしゃるようなのですよね」と穏やかに説明をすると、
「そうなのね、では私が思い(考え)を変えて、気にしないようにしますね」と笑顔でその場を後にされました。
私はこの参加者の潔さに驚き、感服しました。
この参加者の「思いを変える」という行動が、ブッダの教えによるものかどうかは定かではありません。しかし傾聴の耳を持ち、前向きに思いを変える方がいたのは紛れもない事実です。
「私もこうありたい」
その時、心にぽとんとしずくが落ちるような感覚を覚えました。と同時に、「大愚道場は、自分の行動や心を良き方向に向けてもらえる場所なのだ」と身に染みて感じました。
大愚道場ーーぜひあなたも足を運んで、ブッダの教えを体感して学んで欲しい。取材を通して人生観が変わった一人として、心からおすすめします。
桐嶋つづる
[…] ラックスして語り合うひと時など、引き続きご覧ください。(#2の記事は、こちらから) […]