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【あきば大祭】~結びつく自灯明の歩み~後編 

2025 10/10
寺町ニュース
2025年10月9日2025年10月10日

◆前記事のあらすじ
2024年12月7日(土)に行われた、福厳寺あきば大祭。お祭り広場が賑わう一方、秋葉本殿では1年に1度の加持祈祷(ご祈祷)が行われました。

そして夕闇が迫る頃、観音菩薩の「知恵の燈」を運ぶ松明(たいまつ)行列を皮切りに、特別法話や儀式の核心となる火渡りへと続きます。

≫前編【あきば大祭2024】~結びつく自灯明の歩み~

目次

聖俗を切り替える松明の炎

法螺貝の音とともに境内を巡る、いくつもの松明。だんだんと陽が傾くにつれ、その炎の揺らめきと明るさは、いっそう際だちます。

僧侶、修験者、天狗に扮した赤い衣服をまとった先導者。歴史や伝統を体現した、厳粛な行列が人々の間を歩みます。

日中の楽しい雰囲気のお祭りから、古式ゆかしい伝統の儀式へと、全体の雰囲気も入れ替わります。

そして観音菩薩からいただいた、「智慧の燈」である松明の火が、秋葉本殿に納められると、本堂では大愚和尚のお話が始まります。

【あきば大祭2024】大愚和尚・特別法話

「私たち人類は火の力で、豊かな文明を築いてきました。

しかし、その扱いを一歩まちがえれば、皆が火に焼かれてしまいます。

今は消防が発達しましたが、火事は毎年起きており、報道されているのはほんの一部です。依然として火事は大きな脅威なのです。

それでも早い段階で消防車が到着すれば、全焼をまぬがれることもあるでしょう。

しかし皆さんの、「心の中の火」はどうでしょうか。

日ごろ皆さんの周りでは、たくさんの怒りの声が聞こえてはいないですか?

あれが気にくわない、自分を大事にしてくれない、思ったようにならずイライラする。

とどまることを知らない、その欲や怒りの火は、だれが消してくれるのでしょうか。

他の誰でもない、自分の欲望や怒りは、自分で整えていくしかないのです。

仏教では、欲望や怒り無知の心を「三毒」と捉え、その三毒の火に例え戒めています。

だからこそ福厳寺では毎年、大きな火を焚いて、皆さんにも渡っていただきます。

オール電化が進み、日常で火に触れることが少なくなった現代だからこそです。

火は熱い、火は危ない、そして心の中の三毒の火も同じです。

そのことを1人でも多くの方に、火渡りを通じて体感して頂きたいのです。

さて、私たち日本人は古来より、新しい命を生み出す自然を、大いなる神として崇めています。

しかし、日本にはそれとは別の神の姿がありました。

それは私たちと同じ人間でありながら、人間業とは思えないほどの功績を遺した人物が、死後神格化された存在です。

その1人が、火難から人々を救う誓願を立て、全国を行脚し火を収める技術と知恵を広めた、秋葉三尺坊大権現です。

物理的な火とともに、心に潜む三毒の炎を三徳に変えよと、その教えを私はくり返し皆さんにお伝えしています。

三徳とは何か。

1つ目は「恩徳(おんとく)」です。

私たちは1人で生きているわけではありません。家族や地域の人々、社会も自然も、多くの方や環境によって生かされている。そういう存在のおかげで生きているという当たり前のことを忘れてはいけません。

そのような感謝の心を自覚すれば、「今だけ、金だけ、自分だけ」と言ったワガママな態度にはなり得ません。

2つ目は「断徳(だんとく)」です。

これは「自分の欲や怒りを断ち切る」ということです。

どうしても悔しいことはある、腹が立つこともある。しかしこれを感情のおもむくままに、際限なく怒り続けたら、どうなりますか。きっと怒りの火に焼き尽くされてしまうことでしょう。そう思うと、どこかでぐっとこらえて、断ち切らなければならないのです。

そして、3つ目は「智徳(ちとく)」です。

私たちはよく知らないのに、知ったふりをしたり、よく知らないのに、噂話のような情報に踊らされたり、愚かな行いをくり返してしまいます。

だからこそ「正しい知恵」が必要です。

『火事は怖いですよね、わかります。』これは本当にそうでしょうか。

知識で想像するのと、身体を持って、実際に体験するのでは、わかる感覚がまったく異なります。

だからこそ、このあきば大祭では命を脅かすほどの、実際の火を渡り『火は熱い。火を馬鹿にしてはいけない。』という事実を、肌身を通して体感して頂きます。

あきば大祭の炎は、決してエンターテイメントではありません。

この火の中で立ち止まれば、本当に焼けこげてしまいます。

だからこそ、その気づきと覚悟をもって、火を渡る際は、真剣に確実に、歩みを進めて欲しいのです。」

自灯明の覚悟で歩む道

ひとつずつは小さく、温かみさえ感じた松明の炎。

しかし、それらが斎場へと降ろされた途端、みるみる燃え広がり、人間の背丈を超し、建物の二階三階に迫るほどの燃え盛る火柱と化していきました。

その炎から生じる熱風は結界の旗を揺らし、前列の参拝者の中には、思わず顔を背ける方もいました。

僧侶たちは、燃え盛る火の結界を時計回りにゆっくりと歩み、秋葉真言(あきばしんごん)を、くり返し唱え続けます。

オンピラピラケンピラ、ケンノンソワカ
オンピラピラケンピラ、ケンノンソワカ 

この火を最初に渡る大愚和尚は、炎の動きを観察し続けます。

そして適切なタイミングを見極めた瞬間、迷うことなく炎の道へ突き進みます。そのあとを間髪入れずに、次の僧侶たち続いていきます。

大愚和尚たちが切り開いた火の道を、一般の参拝者たちも次々に進んでいきます。

その間も秋葉真言や法螺貝の音、僧侶の見守りが続きます。

待ち受けるのは火の熱さだけではありません、ときに視界をさえぎる煙も立ち込め、目鼻が痛む場合もあります。

それでも身ひとつで歩むのが火渡りの儀であり、誰かに代わってもらったり、お金を払えば防火服が貸されるといった、特別扱いはありません。

どのような人間であれ、この結界の中では一切のウソやごまかしが通用せず、自分の心と身体を拠り所として、火の道を進むほかありません。

そのような中、前方をまっすぐに見据え、合掌したまま歩む方。

少し、よろめきながらも懸命に進む方。前を歩む方が、後ろに待機する方に、どれほどの勇気を与えていることか。一つのことに集中して、懸命に歩む人の姿は、それを見るすべての方を、感動させる力を持っています。

大人も子供も年配の方も、火の道の中では、一人ぼっちです。

ふと怖さを感じたのか、一人の子供が熱さと恐怖で、立ち止まって泣き叫ぶ瞬間がありました。火の道の途中で立ち止まったり、引き返したりする行為は、たいへん危険です。

その状況を察知した僧侶が、間髪入れずに子供に歩み寄り、出口までその子を抱きかかえて事なきを得ました。

その子供は、とても怖い思いをしたとは思いますが、人生において大事な経験をしたことは間違いありません。何より現代の、テーマパークや、遊びの環境ではできない学びを得られたことでしょう。

当日は1000名を超える参拝者が火を渡りましたが、すべての方に危険が及ばないよう、結界内の僧侶は片時も集中力を切らしません。

また結界の外側においても、地元の消防団や奉賛者が、万一の事態に即応できるよう備えています。

このように、参拝者を見守る多くの人々によって、この儀式が成り立っている事実が、肌身に感じられました。

あきば大祭に抱いた想い

ここまで取材班の目線を中心にお伝えして来ましたが、実際に参加された方は、どのような想いを抱かれたのでしょうか。

火渡りの前後にお話を伺えた方がいらっしゃいましたので、その一部をご紹介したいと思います。

【インタビュー①】坂本さん(東京都)

今日は福厳寺へ初めて、1人で足を運びました。知り合い等はいなかったのですが、皆さん親身で話しやすく、とても楽しめています。

私は1年ほど前、さまざまな悪いことが重なり、人生に大きな落ち込みを感じていました。

そのようなとき、YouTubeで、「大愚和尚の一問一答」に出会い、光明を見出しました。

そして大愚和尚のお話を、ぜひ直接お聞きしたい、そして御祈祷を受けたいと思い、本日やって参りました。

火渡りの際、私は先頭から3列目に並んでいましたが、それでも最初の火が燃え上がったとき、吹きつける高熱の空気には、思わず合掌した手を放して顔を覆ってしまいました。

「こんなにも熱いのか」という驚きとともに、「あれは自分の、心の三毒なのだ」と肝に銘じて臨みました。

そして渡り終えた瞬間は何とも清々しく、本当に心が浄化されたような気がしています。ありがとうございました。

【インタビュー②】青山さん(大阪府)

私は大阪でマスターズ陸上100m走で、選手として活動しています。一方で短距離走を教えるコーチとして、クラブチームで50人ほどの子ども達を指導しています。

そうしたなか、現代の子どもを取り巻く環境について、良くも悪くも守られ過ぎていると感じる瞬間があります。

最近では仏教で言う『忍辱(にんにく:やりたくないこと、逃げたいことと、正面から向き合い、むしろその気持ちを楽しみに変えようと取組む姿勢 )』の心構えを、うまく伝えられたらと考えています。

このあきば大祭でコーチングのヒントを、何かしら得られたらという思いもあり、参加しました。

火渡りにはクラブチームの白いユニフォームで臨みましたが、色々な人から「焦げちゃうかも知れないよ」と心配していただきました。

でも焦げたら焦げたで、それも良い思い出かなと。

しかし、いざ火の道に足を踏み入れると、その熱さには本当に驚きました。

そして、これが心の炎だとすれば、その恐ろしさも思い知らされたように感じます。

それでも火渡りを達成し、そこで得られた気付きに対して、やってみて本当に良かったと思えています。

この事はまさに自分の体験として、子どもたちに伝えることが出来ます。

今日の学びを、ぜひ今後の指導に取り入れて行きたいです。

編集後記

この記事では冒頭に「これほど多くの方が、あきば大祭に集うのか何故か?」という書き出しで、始めさせていただきました。

それは佛心宗の発信するメッセージが、SNSやさまざまなインターネットの口コミを通じて多くの方に届いているという側面が、大きくあるように感じます。

しかし全体の取材を通じ、それだけではないという実感を得ました。

効率や安全を重視しすぎた、現代の生活において、人間の動物的本能が「火の熱さ、恐ろしさ」を体感することを求めているような、生き物として大事なことを、忘れてはいけないという、身体からのメッセージのようにも感じます。

私たちが、あえて不便な自然の中で、キャンプをすることもそのような、本能的な部分が関係しているように思います。

「祭り」が持つ3つの力、「人が集まり、その中でリーダーが生まれ、共同作業をする中で、人々が結びついていく」その光景を、このあきば大祭を通じて、実際に見て、聞いて、体感することができました。

何時間もかけて、飛行機と電車とバスを乗り継ぎ、福厳寺を訪れる人々。

佛心誓願のもと、自らを反省し、その大切さを心に刻むために、燃え盛る炎を一人突き進んでいく多くの方の姿を見るにつけ、日本人もまだまだ捨てたものではないなと感じる瞬間がありました。

室町時代から続く伝統を守りつつ、新たな人々がこのお祭りを通じて結びつき、あきば大祭はこの先もますます大きくなっていくことでしょう。

そのような思いを強く抱いた1日となりました。

取材者:原田ゆきひろ,山田かよ

2025年のあきば大祭は12月6日(日)です。一年の心の汚れを取り除き、清らかな気持ちで新しい年を迎えるための、心の節目となる一日です。そして、その場で新たな善友とのご縁が生まれるかもしれません。詳細は、近日中に福厳寺の公式ページに掲載されます。皆さまのお越しをお待ちしております!

2025年福厳寺あきば大祭公式WEBはこちら
https://akiba.fukugonji.com/

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この記事を書いた人

原田幸文(こうぶん)のアバター 原田幸文(こうぶん)

寺町新聞の執筆・取材を担当。Yahoo!ニュース歴史・文化ライターとしての顔も合わせ持つ。小学生の秘密基地から南米のアマゾン川まで、どこへでも探訪。そこにある興味や発見、人の想い。それらを分かりやすい表現で、書き綴るのがモットー。趣味は環境音や、世界中の音楽データを集めて聴くこと。鬼滅の刃とドラゴンボールZが大好き。

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